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用語集(設備⑨)「パッシブデザイン、アクティブデザイン」

2020年8月25日

今回はパッシブデザインやアクティブデザインなど、なんとなくイメージできても分かりづらい用語をまとめます。パッシブデザインは特に重要ですので、しっかり理解を深めましょう。

パッシブデザイン

パッシブデザインとは自然採光や自然通風など、機械設備を利用せず風や太陽光などの自然エネルギーを利用する設計手法です。(機械を利用しないことがポイントです!)

環境にやさしく省エネですので、問題にパッシブデザインについての言及がなくても積極的に採用するようにします。パッシブデザインの効果方法を以下にまとめます。

  • 断熱性を向上させる・・・ Low-E複層ガラス高気密サッシ外断熱
  • 外からの熱の流入を防ぐ・・・ Low-E複層ガラス水平・垂直ルーバー屋上緑化外断熱
  • 空調の稼働時間を短くする・・・中間期に開口部やトップライトを利用した自然換気
水平・垂直ルーバー、Low-E複層ガラス イメージ図
自然通風 イメージ図

アクティブデザイン

アクティブデザインとは機械設備を用いて省エネルギーを実現する設計手法です。アクティブデザインの方式は以下のものがあります。

照明設備の消費電力削減

  • 照明器具にLEDを採用する。
  • 主要な室に照度制御タイムスケジュール制御等を採用する。
  • 利用頻度の少ない室に人感センサーによる制御を採用する。

空調設備の負荷軽減

  • 空冷ヒートポンプパッケージ方式などの高効率な空調方式を採用する。
  • ナイトパージシステムを採用し、夜間に冷たい空気を室内に取り入れる。
  • 高機能換気システムを採用し、換気量を制御する。
  • アースチューブを設置し、地中熱により温度調節された外気を室内に取り入れる。
  • 地中熱ヒートポンプを採用し、地中熱を利用して効率よく熱交換する。
アースチューブ イメージ図
地中熱ヒートポンプ(空調) イメージ図

給湯設備のエネルギー削減

  • ガス給湯器と比較して高効率な電動ヒートポンプ給湯器を採用する。
  • 地中熱ヒートポンプ給湯器を採用し、給湯負荷を軽減する。
  • 太陽熱給湯システムを採用する。
太陽熱給湯システム イメージ図

水道料金の削減

  • 洗面、トイレ、浴室等に節水型衛生器具を採用する。
  • 雨水処理設備を設置し、 貯水した雨水を便所洗浄水や植栽への散水に利用する 。
  • 地下水利用設備を設置し、ポンプでくみ上げた地下水を便所洗浄水や植栽への散水に利用する。

その他のアクティブデザイン

  • 負荷容量に合わせた効率のよい変圧器を採用する。

Low-E複層ガラス

Low-E複層ガラスとは、 複層ガラス (窓のガラスを二重にして、 ガラスとガラスの間に空気層 を設けたもの)について、どちらか一方のガラスを金属コーティングしたものです。

屋外側ガラスをコーティングした場合、「遮熱タイプ」となり、遮熱性を高めることで室内に侵入する日射量を低減することができます。夏季の日差しや西日を遮る場合には、遮熱タイプを採用します。

屋内側ガラスをコーティングした場合、「断熱タイプ」となり、日射が室内に届きやすくなりますが、金属膜が屋内側にあることで室内の熱が屋外に漏れにくくなるため、断熱効果を高めることができます。日当たりの悪い窓や寒冷地では、断熱タイプを採用します。

Low-E複層ガラスのそのほかの特徴としては、結露しにくい遮音性能・防音性能に優れるといったメリットがありますが、ある音に共鳴してしまうことがあるといったデメリットもあります。

なお、二枚のガラスのうちの一枚を合わせガラスとして窓の強度を高めた防犯強化タイプや、ガラスを網入りガラスとした防火タイプもあります。

ルーバー

ルーバーとは羽板(はいた)と呼ばれる細長い板を平行に複数枚並べたものをいいます。羽板の角度によって光を遮断したり風向きを調整したりできます。製図試験では、直射日光を防ぐためにルーバーを設けることが多いです。太陽の高さを考慮して、南側開口部に水平ルーバー東西開口部に垂直ルーバーを設けるようにします。

熱交換器

熱交換器とは、換気時に排気する空気から温度(顕熱)湿度(潜熱)を回収し、給気する空気に戻す機械のことです。空調設備の補助設備として採用されます。温度のみを交換するものを顕熱交換器温度と湿度の両方を交換するものを全熱交換器といいます。

全熱交換器は、室内を一定の温度・湿度に保ちやすくなるため、夏場が高温多湿な地域に採用されます。ただし、浴室やトイレ等の湿気や匂いの強い空間では採用できません

顕熱交換器は、湿気や匂いを回収しないため、 浴室やトイレ等の湿気や匂いの強い空間でも採用できます。ただし、夏場に外の湿度が高い場合、湿気が直接室内に入ってきます。また、冬場は室内の湿気が排出されるため、室内が乾燥気味になります

熱交換器を採用する場合には、浴室やトイレ等の水回りでは顕熱交換器を採用し、それ以外の室では全熱交換器を採用すると良いでしょう。