記述内容を伝えたい相手は採点者です
製図試験の記述部分は、図面では表しきれない部分について、設計者の意図を補足することにあります。ここでは、正しい知識で設計していることを相手に伝えなければなりません。
この場合の「相手」とは、記述内容を読む人なので、「採点者」です。
仮に、頭の中で100点満点の設計をしていたとしても、その内容を正しく記述できず、相手に伝わらなければ0点になってしまいます。
このようなことになってしまっては、製図のために費やした努力が台無しになってしまいますので、どのような点に注意して文章を作成すべきかを確認します。
4W1Hを意識しよう
普段、文章で相手に自分の考えを伝える際、意識しなければならないこととして、5W2Hがあります。
1 | When | いつ |
2 | Where | どこで |
3 | Who | だれが |
4 | What | なにを |
5 | Why | なぜ |
6 | How | どのように |
7 | How much | いくらで |
この内容を記述問題に当てはめた場合、下記のとおりとなります。
1 | Where | どこで | 設問の場所(室)で |
2 | Who | だれが | 設問の対象者が |
3 | What | なにを | 設問の対象物を |
4 | Why | なぜ | 理由を説明 |
5 | How | どのように | 工夫した内容 |
記述問題で解答する際には、5W2Hのうち、使用することが少ない「When」と「How much」を除いた4W1Hを意識することで、自分の考えを正確に伝えることができます。
解答例
例1)アプローチ計画で工夫したこと。
施設の主出入り口は、駐車場に面した建物北側に配置し、施設利用者の利便性に配慮した。
1 | Where | どこで | 施設 |
2 | Who | だれが | (設計者) |
3 | What | なにを | 主出入り口 |
4 | Why | なぜ | 利便性に配慮 |
5 | How | どのように | 建物北側に配置 |
Who(だれが)は、設計者である「あなた」が考えたことなので省略します
例2)多目的ホールの構造計画で配慮したこと。
無柱の大空間である多目的ホールでは、15mスパンの梁をプレストレスコンクリート製とし、梁せいを小さく抑えた。
1 | Where | どこで | 多目的ホール |
2 | Who | だれが | (設計者) |
3 | What | なにを | 15mスパンの梁 |
4 | Why | なぜ | 梁せいを小さく |
5 | How | どのように | PC製に |
Who(だれが)は、設計者である「あなた」が考えたことなので省略します
例3)店舗の空調方式と採用した理由。
1階各店舗の空調形式は、個別制御が可能であり、エネルギー効率が優れる、空冷ヒートポンプパッケージ方式天井カセット型を採用した。
1 | Where | どこで | 1階各店舗 |
2 | Who | だれが | (設計者) |
3 | What | なにを | 空調形式 |
4 | Why | なぜ | 個別制御、効率性 |
5 | How | どのように | 空冷HPを採用 |
Who(だれが)は、設計者である「あなた」が考えたことなので省略します
このように、4W1Hを考えながら解答すると自分の考えが正確に伝わりますので、意識してみてください。
記述解答における文章作成に関しては、こちらもご覧ください。
コメント