【おしらせ】

記述研究所はnoteに引越しました。こちらへ

【一級建築士製図試験】再試験(令和元年12月8日)出題予想

2022年9月17日

今年は、平成26年度以来の再試験が実施されます。平成26年度の本試験と、台風の影響で延期となった沖縄県での再試験の「計画の要点等」を比較して、今年の出題を予想してみます。

平成26年度「計画の要点等」比較表

本試験再試験
(1)-① ゾーニング各部門の構成と配置(ゾーニング)
(1)-②休憩スペース・レストラン・浴室の動線計画休憩スペース・フードコート・浴室の動線計画
(1)-③勾配屋根を生かした室内空間吹抜けを生かした室内空間
(2)-① 建築物の構造・架構・スパン 建築物の構造・架構・スパン+目標耐震性能
(2)-② 勾配屋根の架構(補足図) 吹抜けの構造(補足図)
(3)-① 浴室給湯の熱源方式、採用理由浴室給湯の熱源方式、採用理由
(3)-②ろ過器、非常用発電機、空調機の設置位置等  
(4)-①勾配屋根、吹抜け等に対応した環境負荷低減手法冷房負荷削減、自然通風についての工夫(建築材料以外)
(4)-②   空調エネルギーを削減するための省エネ手法(設備的手法)

平成26年度の本試験と再試験を比較すると、以下のことがわかります。

  • 分野ごとの出題数はほぼ同じ(計画3、構造2、設備2or1、環境1or2)
  • 対象となる代表的な要求室等は同じ( 「休憩スペース・レストラン・浴室」、「吹抜け」、「浴室の熱源」)※本試験、再試験とも吹抜けの指定あり。
  • 補足図が要求される設問はほぼ同じ
  • パッシブデザインはどちらも出題

これらの傾向から、今年の再試験の出題を以下のように予想します。

令和元年度再試験の予想

  本試験 再試験
(1) ゾーニング ゾーニング
(2) 美術品の搬出入動線 内部動線の問題
(3) 分館と本館の来場者動線 分館と本館の来場者動線
(4) 展示室A・Bの設え 室の設え又はコンセプトルーム
(5) 吹抜けとその周囲の採光 採光、通風関連
(6) 公園の眺望に配慮した日射負荷抑制(補足図) 日射負荷抑制又は空調エネルギー削減(補足図)
(7) 屋上庭園の構造計画(補足図) 断面の構造計画(補足図)
(8) 建築物の構造・架構・スパン・部材寸法 建築物の構造・架構・スパン・部材寸法
(9) 多目的展示室の構造・架構・スパン・部材寸法 大空間室の構造・架構・スパン・部材寸法
(10) 多目的展示室の空調吹出し口計画(補足図) 大空間室の空調吹出し口計画(補足図)

(1)ゾーニング

本試験は、オーソドックスなゾーニングに関する設問でした。再試験でも同様の出題がされると予想されます。ただし、平成26年度のように文言が変わるかもしれません。

(2)内部動線

本試験は、荷解き室から展示室等へ向かう搬出入動線を問われました。再試験でも内部動線の出題があると予想されます。室内から屋上庭園への動線計画が問われるかもしれません。

(3)分館と本館との動線

本試験では、分館と本館との来場者動線が問われました。留意事項に「分館と本館との動線に配慮」と記載がありましたので、再試験でも出題されるでしょう。

(4)室の設え

本試験では、展示室の設えが出題されました。再試験でも、「設え=内装等」に関する出題があると予想されます。コンセプトルームの出題も十分あり得ますので、準備が必要です。

(5)採光、通風関連

本試験は、吹抜け周囲の採光に関する設問でした。パッシブデザインに関する設問は、近年必ず出題されていますので、再試験でも採光や通風に関する出題があると予想されます。

(6)日射負荷抑制(補足図)

本試験では、公園の眺望に配慮した上で、南面及び西面の日射負荷を抑制する手法が求められました。再試験でも、難易度の高い設問が出題され簡単には解答できないと思いますが、最低でも自分の考えを記述して、「白紙=未完」とならないようにしましょう。

(7)断面構造計画(補足図)

本試験では、屋上庭園の断面構造計画について出題されました。「屋上庭園」は今年度のテーマの一つですので、再試験でも同様の設問が出題される可能性が高いです。

(8)(9)建築物(大空間室)の構造・架構・スパン・部材寸法

毎年出題されている設問です。例年、建築物全体か大空間室のどちらかに関する出題でしたが、今年の本試験では、(8)、(9)で両方出題されました。

再試験では、どちらか一方の出題となり、その他の構造関連の設問となるかもしれません。近年、よく出題されている基礎構造は、確認しておいた方が良さそうです。

(10)大空間室の空調吹出し口計画(補足図)

唯一、設備関連の設問です。再試験でも設備関連の設問が1問あると予想されます。空調以外の設備が出題される可能性もありますが、美術館というテーマから給水や電気設備よりは、空調関連の出題となるのではないでしょうか。

まとめ

以上、前回、再試験が行われた平成26年度の傾向から、今年度再試験の「計画の要点等」の出題を予想してみました。実際には、これほど安易ではないと思いますが、予想のひとつとして楽しんで見ていただければ幸いです。

10月13日に実施された試験については、こちらの記事を参照ください。

◆過去問

Posted by もち