【一級建築士製図試験】再試験(令和元年12月8日)出題予想

今年は、平成26年度以来の再試験が実施されます。平成26年度の本試験と、台風の影響で延期となった沖縄県での再試験の「計画の要点等」を比較して、今年の出題を予想してみます。
平成26年度「計画の要点等」比較表
本試験 | 再試験 | |
(1)-① | ゾーニング | 各部門の構成と配置(ゾーニング) |
(1)-② | 休憩スペース・レストラン・浴室の動線計画 | 休憩スペース・フードコート・浴室の動線計画 |
(1)-③ | 勾配屋根を生かした室内空間 | 吹抜けを生かした室内空間 |
(2)-① | 建築物の構造・架構・スパン | 建築物の構造・架構・スパン+目標耐震性能 |
(2)-② | 勾配屋根の架構(補足図) | 吹抜けの構造(補足図) |
(3)-① | 浴室給湯の熱源方式、採用理由 | 浴室給湯の熱源方式、採用理由 |
(3)-② | ろ過器、非常用発電機、空調機の設置位置等 | |
(4)-① | 勾配屋根、吹抜け等に対応した環境負荷低減手法 | 冷房負荷削減、自然通風についての工夫(建築材料以外) |
(4)-② | 空調エネルギーを削減するための省エネ手法(設備的手法) |
平成26年度の本試験と再試験を比較すると、以下のことがわかります。
- 分野ごとの出題数はほぼ同じ(計画3、構造2、設備2or1、環境1or2)
- 対象となる代表的な要求室等は同じ( 「休憩スペース・レストラン・浴室」、「吹抜け」、「浴室の熱源」)※本試験、再試験とも吹抜けの指定あり。
- 補足図が要求される設問はほぼ同じ
- パッシブデザインはどちらも出題
これらの傾向から、今年の再試験の出題を以下のように予想します。
令和元年度再試験の予想
本試験 | 再試験 | |
(1) | ゾーニング | ゾーニング |
(2) | 美術品の搬出入動線 | 内部動線の問題 |
(3) | 分館と本館の来場者動線 | 分館と本館の来場者動線 |
(4) | 展示室A・Bの設え | 室の設え又はコンセプトルーム |
(5) | 吹抜けとその周囲の採光 | 採光、通風関連 |
(6) | 公園の眺望に配慮した日射負荷抑制(補足図) | 日射負荷抑制又は空調エネルギー削減(補足図) |
(7) | 屋上庭園の構造計画(補足図) | 断面の構造計画(補足図) |
(8) | 建築物の構造・架構・スパン・部材寸法 | 建築物の構造・架構・スパン・部材寸法 |
(9) | 多目的展示室の構造・架構・スパン・部材寸法 | 大空間室の構造・架構・スパン・部材寸法 |
(10) | 多目的展示室の空調吹出し口計画(補足図) | 大空間室の空調吹出し口計画(補足図) |
(1)ゾーニング
本試験は、オーソドックスなゾーニングに関する設問でした。再試験でも同様の出題がされると予想されます。ただし、平成26年度のように文言が変わるかもしれません。
(2)内部動線
本試験は、荷解き室から展示室等へ向かう搬出入動線を問われました。再試験でも内部動線の出題があると予想されます。室内から屋上庭園への動線計画が問われるかもしれません。
(3)分館と本館との動線
本試験では、分館と本館との来場者動線が問われました。留意事項に「分館と本館との動線に配慮」と記載がありましたので、再試験でも出題されるでしょう。
(4)室の設え
本試験では、展示室の設えが出題されました。再試験でも、「設え=内装等」に関する出題があると予想されます。コンセプトルームの出題も十分あり得ますので、準備が必要です。
(5)採光、通風関連
本試験は、吹抜け周囲の採光に関する設問でした。パッシブデザインに関する設問は、近年必ず出題されていますので、再試験でも採光や通風に関する出題があると予想されます。
(6)日射負荷抑制(補足図)
本試験では、公園の眺望に配慮した上で、南面及び西面の日射負荷を抑制する手法が求められました。再試験でも、難易度の高い設問が出題され簡単には解答できないと思いますが、最低でも自分の考えを記述して、「白紙=未完」とならないようにしましょう。
(7)断面構造計画(補足図)
本試験では、屋上庭園の断面構造計画について出題されました。「屋上庭園」は今年度のテーマの一つですので、再試験でも同様の設問が出題される可能性が高いです。
(8)(9)建築物(大空間室)の構造・架構・スパン・部材寸法
毎年出題されている設問です。例年、建築物全体か大空間室のどちらかに関する出題でしたが、今年の本試験では、(8)、(9)で両方出題されました。
再試験では、どちらか一方の出題となり、その他の構造関連の設問となるかもしれません。近年、よく出題されている基礎構造は、確認しておいた方が良さそうです。
(10)大空間室の空調吹出し口計画(補足図)
唯一、設備関連の設問です。再試験でも設備関連の設問が1問あると予想されます。空調以外の設備が出題される可能性もありますが、美術館というテーマから給水や電気設備よりは、空調関連の出題となるのではないでしょうか。
まとめ
以上、前回、再試験が行われた平成26年度の傾向から、今年度再試験の「計画の要点等」の出題を予想してみました。実際には、これほど安易ではないと思いますが、予想のひとつとして楽しんで見ていただければ幸いです。
10月13日に実施された試験については、こちらの記事を参照ください。
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