2022年9月17日
令和2年度一級建築士試験「設計製図の試験」課題が発表され、「高齢者介護施設」とされました。
設備分野は課題条件によって内容が変わります。過去の出題傾向をつかむことで勉強すべき内容がつかめます。まずは、総合テストから設備分野で問われる典型的な問題を抽出しました。
集中的に問題に触れることで出題傾向をつかみ、今年度の課題に応用できるようにしてください。まずは空調関連です。量が多いので一日で終わらせる必要はありません。
空調方式 ①
次のプランで、「エントランスホールに採用した空調方式と採用した理由」は?
採用した空調方式:定風量単一ダクト方式
エントランスホールは吹抜けのある連続した空間であり、高さ方向の温度差が発生しやすいことから、吹出し能力が高く、全体を均一に空調できる方式を採用した。
※採用した理由、空調方式の特徴
イメージ図
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空調方式 ②
次のプラン例で、「多目的ホールに採用した空調方式と採用した理由」は?
プラン例
採用した空調方式:変風量単一ダクト方式
多目的ホールは天井の高い大空間であり、時間帯や利用形態によって利用人数が変わるため、吹出し能力が高く、負荷変動にも対応できる方式を採用した。
※採用理由、空調方式の特徴
イメージ図
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空調方式 ③
次のプラン例で、「研修室に採用した空調方式と採用した理由」は?
プラン例
採用した空調方式:空冷ヒートポンプパッケージ方式マルチ型
各研修室は、利用時間や人数が異なる場合が多いので、個別制御が容易で省エネルギー性に優れる方式を採用した。
※採用した理由、空調方式の特徴
イメージ図
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空調方式 ④
次のプラン例で、「多目的ホールに採用した空調方式と採用した理由」は?
プラン例
採用した空調方式:空冷ヒートポンプパッケージダクト接続型(床置き型)
多目的ホールは天井の高い大空間であるため、吹出し能力に優れ、居住域まで給気できる方式を採用した。
※採用した理由、空調方式の特徴
イメージ図
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空調方式 ⑤
次のプラン例で、「吹抜け部分に採用した空調方式と採用した理由」は?
プラン例
採用した空調方式:空冷ヒートポンプパッケージダクト接続型(天井隠蔽型)
吹抜け部分は、均一な温度分布が確保しにくいため、吹出し能力が高く、吹抜け中央部まで給気できる方式を採用した。
※採用理由、空調方式の特徴
イメージ図
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空調方式 ⑥
次のプラン例で、「ホテル客室に採用した空調方式と採用した理由」は?
プラン例
採用した空調方式:外気処理空調機+ファンコイルユニット方式
ホテル客室の空調は、利用者によって使い方が異なり、換気も必要であることから、個別制御が容易で、ダクトにより外気を供給できる方式を採用した。
※採用した理由、空調方式の特徴
イメージ図
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空調吹出し口 ①
次の図で、「吹抜け部分を良好な環境とするために、空調吹出口と吸込口の位置について工夫したこと」は?
断面図
吹抜けに面する2階梁下に到達距離の長いノズル型吹出口を設置し、吹抜け部分を効率的に空調できるように計画した。
また、吸込口を1階天井面や床面付近に設け、吹出し口から適度に離すことにより、ショートサーキットのない効率的な気流分布を実現できるように計画した。
※理由、計画内容
イメージ図
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空調吹出し口 ②
次の図で、「吹抜け部分の冷暖房計画の注意点と対応策(吹出し口、吸込口の位置等)」は?
断面図
吹抜け部分は天井が高く、大きな開口部に面していることから、
- 高さ方向の温度分布に差が生じる
- 居住域まで暖気が行き渡らない
- 夏期は開口部付近の冷房負荷上昇
- 冬期は開口部付近でコールドドラフト発生
などが懸念される。 ※原因、結果
イメージ図
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吹抜けに面する2階梁下に到達距離の長いノズル型吹出口を設置し、吹抜け中央部に空調気流が届ようにした。
吸込口を1階天井面の吹出し口から適度に離れた位置に設け、ショートサーキットの防止を図った。
夏期の開口部付近の冷房負荷対策、および冬期のコールドドラフト対策として、ペリメーターゾーンに吹出し能力の高いスロット型吹出し口を配置した。
※理由、計画内容
イメージ図
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空調機位置、ダクトルート ①
次のプラン例で、「小ホールの空調機械室位置と給気・還気ダクトルート(ダクトスペース)について工夫したこと」は?
プラン例
空調方式:単一ダクト方式
空調機械室を1階の管理部門から直接出入りできるように配置し、点検やメンテナンス等が容易となるように計画した。
給気・還気ダクトは、空調機械室直上のDSを経由し、小ホールまで接続することにより、空気の搬送距離が極力短く、圧力損失の少ない効率的なルートとなるように計画した。
※理由、計画内容
イメージ図
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空調機位置、ダクトルート ②
次のプラン例で、「小ホールの空調機及び熱源機の位置とダクトルートについて考慮したこと」は?
プラン例
1、2階それぞれに空調機を設置し、小ホールについては2階空調機から給気・還気することにより、ダクトルートを短くし、搬送エネルギー低減を図った。
空冷ヒートポンプチラーを屋上の管理部門階段直上かつPSに近い場所に設置し、メンテナンス性に配慮するとともに、冷温水配管ルートが短くなるように計画した。
※理由、計画内容
イメージ図
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空調機位置、ダクトルート ③
次のプラン例で、「多目的ホールの空調機械室位置と給気・還気ダクトルート(ダクトスペース)について工夫したこと」は?
プラン例
空調機械室を多目的ホールに隣接して配置し、ダクトを短くすることにより、搬送エネルギーの低減を図った。
給気は空調機械室の直上から天井に設置したダクトから吹出し、還気は壁面下部から直接吸い込むことにより、合理的なダクト計画と、良好な気流分布が実現できるようにした。
※理由、計画内容
イメージ図
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空調機位置、ダクトルート ④
次の図で、「空調機と熱源機の位置について考慮したこと」は?
断面図
各室の天井にファンコイルユニットを設置し、個別に温度設定できるように計画した。
外気処理空調機をDSに近接して設置し、給気・還気ダクトルートを極力短くすることにより、搬送エネルギーの低減を図った。
また、外気処理空調機及び空冷ヒートポンプチラーを屋上の管理階段近くに設置し、点検等がしやすいように計画した。
※理由、計画内容
イメージ図
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空調機の維持管理と更新 ①
次の図で、「空調機器の維持管理と更新について考慮したこと」は?
例1:空調室外機を屋外に設置し、通路や点検スペースを確保することにより、日常のメンテナンスや機器の更新作業が行いやすいように計画した。
例2:サービス用駐車場近くに空調室外機を配置することにより、メンテナンスや機器の更新作業が行いやすいように計画した。
※理由、計画内容
イメージ図
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空調機の維持管理と更新 ②
次の図で、「空調機器の維持管理と更新について考慮したこと」は?
空調機械室の道路側外壁面に搬出入用扉を設け、機器の更新作業が行いやすいように計画した。
空冷ヒートポンプチラーを屋上の道路側に設置し、更新時の吊り込み作業が行いやすいようにした。
※理由、計画内容
イメージ図
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空調の省エネルギー ①
次の図で、「空調の省エネルギー(設備的手法)について考慮したこと」は?
断面図
空冷ヒートポンプパッケージ方式マルチ型空調機を採用し、各室を個別に空調することにより、空調エネルギーを削減した。
換気設備に全熱交換器を採用し、換気による外気負荷の軽減を図った。
※理由、計画内容
イメージ図
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空調の省エネルギー ②
次の図で、「空調の省エネルギー(設備的手法)について考慮したこと」は?
断面図
(例1)開口部付近にスロット型吹出し口を設置し、ペリメーター負荷処理による空調効率の向上を図った。
(例2)開口部付近にファンコイルユニットを設置し、ペリメーター負荷処理による空調効率の向上を図った。
※理由、計画内容
イメージ図
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