【一級建築士製図試験】計画の要点等 目標耐震性能

一級建築士試験の「計画の要点等」では、建物の目標耐震性能について問われることがあります。地震大国である日本では、耐震への関心は高いため、今後も出題される可能性はあります。
今回は、目標耐震性能について記述する場合についてまとめました。
目標耐震性能 建物の用途 重要度
問題文
建築物に設定した目標耐震性能(地震力の程度と建築物の状態)を記述する。
解説
目標耐震性能とは
地震が発生した場合、建物の損傷具合を発生地震レベルに応じて設定する要求水準のことを示します。
建物の「重要度」「用途」によって、求めるべき水準が変化します。
耐震安全性の目標
国の施設に関しては、下表のように目標値が示されています。
構造体部分に関して
Ⅰ類…大地震動後、構造体の補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られるものとする。
Ⅱ類… 大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られるものとする。
Ⅲ類… 大地震動後、構造体の部分的な損傷は生じるが、建物全体の耐力の低下は著しくないことを目標とし、人命の安全確保が図られるものとする。
「国家機関の建築物及びその附帯施設の位置、規模及び構造のい関する基準」抜粋(平成6年12月5日建設省告示第2379号)
耐震安全性の分類は、建物の用途、重要度に応じて定められ、国の機関ではおおよそ下記のように分けられています。
Ⅰ類…有事の際に拠点として使用する行政機関の建物、及び病院
Ⅱ類…学校、社会福祉施設、拠点以外の病院
Ⅲ類…上記以外
解答例
目標耐震性能について問われた場合には、出題された建物の用途、重要度から分類を想定します。Ⅰ類からⅢ類に合わせて構造体の目標性能について記述しましょう。
Ⅱ類を想定した場合
建物の供用期間に発生しうる大規模な地震が発生した場合でも、構造体に軽微な損傷は発生するものの、大きな補修をすることなく継続使用できることを目標とした。
Ⅲ類を想定した場合
建物の供用期間に発生しうる大規模な地震が発生した場合でも、構造体に部分的な損傷は発生するものの、建物の耐力低下が著しくなく、人命の安全が確保できることを目標とした。
出題発表時の建物用途から分類を想定しておき、安全性の目標を記述できるようにしておきましょう。
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