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【一級建築士製図試験】計画の要点等 耐震計画

2020年4月21日

一級建築士試験の「計画の要点等」では、構造計画の問題として耐震計画について出題されることが時々あります。

以前の記事では「目標耐震性能」についてまとめましたが、今回は建物の種類毎(低層、高層)の耐震計画についてまとめます。

キーワード

建物形状 脆性破壊 短柱化 構造スリット 耐力壁 重心 エキスパンションジョイント

過去の出題例

平成21年 貸事務所ビル

耐震計画について配慮したこと

解説

高層、低層共通

建物形状が非整形である場合、地震時に局所的に応力が生じる危険性がありますので、出来るだけ建物形状を整形にするようにします。

やむを得ず、建物の一部(屋外連絡通路など)が突出してしまった場合には、エキスパンションジョイントを設けて当該部分を切り離すか、当該部分のみ鉄骨造を採用して、建物とは別に自立するようにします。

また、柱に隣り合ってたれ壁や腰壁等の雑壁を設ける場合、当該柱実長が他の柱と比較して短くなり「極短柱:ごくたんちゅう」に生じるせん断破壊の発生する恐れがあります。

この対策として、柱と雑壁の間に構造スリットを設けることで、柱の短柱化を防ぐようにします。

高層の場合

5階建以上の高層の場合、低層階にピロティ形式の部屋を設けると当該階の剛性が低下し、地震時に上階の積載荷重を十分に支えられなくなる危険があります。

そのため、低層階の柱を上層階よりサイズアップして計画したり、耐力壁を設けたりして、低層階の剛性を確保するようにします。

耐力壁を設ける場合には、建物の重心を考慮して短辺方向に二箇所の耐力壁を設けます。

また、耐力壁には開口周比の問題で出入口程度の開口部しか設けられませんので、エスキスプランとの整合性に注意が必要です。

解答

高層、低層共通

地震時に局所的な応力集中が発生しないように、建物形状整形なものとした。

地震時に局所的な応力集中が発生しないように、屋外連絡通路を鉄骨造で計画して自立させた。

柱の短柱化による脆性破壊を防ぐために、たれ壁や腰壁等の雑壁に構造スリットを設けた。

高層の場合

1階にピロティを計画したため、剛性低下を防ぐ目的で1階の柱サイズを900㎜×900㎜とした。
また、経済性に配慮し、上階の柱サイズは徐々に小さくするようにした。

低層階にPC梁による無柱空間を計画したので、当該階の剛性を確保するために、建物の短辺方向にバランスよく耐力壁を設けた。

まとめ

耐震計画では、地震による応力集中の対策をしっかり理解しましょう。

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