添削室のコラム(コンセプトルーム)

今回は手紙ではなく、コラムです。「コンセプトルーム」が出題された場合を想定した対策です。
コンセプトルームとは、ある程度の条件を与えたうえで、設計者が自由に使用方法を考え、提案する形の部屋です。平成29、30年度の試験で出題されました。令和元年度の試験ではコンセプトルームの出題はありませんでしたが、「室の設え」を問われた問題が出ましたので類題が出題されたと言えます。
コンセプトルームの内容を、試験本番で考え始めていては時間が足りなくなります。あらかじめ自分の案を準備しておきましょう。
コンセプトルーム案は電車の中、お風呂の中など、どこでも考えることはできますので、早めにまとめておき、頭に入れておきましょう。
今回示すのは、あくまで当研究所の提案例です。これらを参考に自分の案を作ってみてください。
地域住民と施設利用者、居住者との交流を図ることを目的とした居室を計画する
居室の「使用方法」と「設い(しつらい)」について提案せよ(記述とイメージ図で説明する)
※「設い」とは、過去の課題文における説明において、「H30:インテリア、什器、設備機器等 H29:内装、什器、設備機器等」とされています。なお、令和元年では注釈なく使用されていますので、当たり前の用語として取り扱われています。しっかり意味をつかんでおきましょう。
コンセプトルームを計画するにあたって、今回、ポイントとしたのは下記です。
- 高齢者施設介護施設の利用者、居住者と近隣住民との世代を超えた交流を図る
- 文化を通した交流を計画する
- 健康増進を目的として、体を使った集会を計画する
地域住民とともに趣味を介して交流を図るため、教室や会合を開催できる部屋を計画する。
「書道教室」「絵画教室」などの文化教室、「囲碁」「将棋」「麻雀」などの趣味の集まりを催す。
居室の一部には畳の小上がりを設け、椅子と畳での座布団を選択できるようにし、利用者の年齢層や健康状態の多様性に対応できるように配慮する。
壁の一部では教室での作品を展示するため、作品が映えるように濃い配色の壁紙とし、また、天井にダクトレールを設置することで、スポットライトにより作品を照らす計画とする。
それでは、このコンセプトを記述にしてみましょう。
別の例も用意しました。
地域住民とともに世代を超えた趣味の集まりとして、健康増進を目的とした集会所を計画する。「ダンススクール」「コーラス教室」「カラオケ教室」「体操教室」などを開催できるものとする。周囲に音や振動が伝わらないようにするため、扉、窓は防音仕様とし、壁や床も防音、防振仕様とする。
収納庫を用意し、折り畳みの机、椅子を用意することで、講演などにも使用できるものとし、中間部に可動間仕切りを用意し、様々な規模の催しに使用できるように考慮する。
それでは、このコンセプトを記述してみましょう。
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