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応用ドリル(設備③)「給水設備」

2022年9月17日

今年の課題「高齢者介護施設」で出題が想定される内容に重点的に取り組みます。

8月3日~8月30日の4週間は、「計画」「設備」「環境負荷低減」「構造」の順で、頻出項目を中心に基礎的な問題を出題します。

本日のテーマは、「給水設備」です。

給水方式(ポンプ直送方式)

高齢者介護施設の計画において、「建築物に採用した給水方式と採用した理由」は?

記述例

採用した方式:ポンプ直送方式

ポンプによる安定的な給水が可能な方式を採用した。

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受水槽に貯留する方式を採用した。

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解説

給水方式のうち、ポンプ直送方式を採用した場合の記述です。ポンプ直送方式は、水道本管から受水した水を一旦受水槽に貯めて、ポンプで各所に給水します。受水槽とポンプは、地上や設備機械室に設置します。

使用水量の変動に合わせて、台数制御や回転数制御でポンプを運転するので、水圧を一定に保てます。また、断水時に受水槽に貯まった水が使えるというメリットがあります。

デメリットとして、受水槽に貯めた水が汚染される恐れがあります。また、清掃や点検等の維持管理コストがかかります。

ポンプ直送方式イメージ図
記述例

採用理由①:使用水量の変動に対応できるようにポンプによる安定的な給水が可能な方式を採用した。

採用理由②:災害による断水が発生した際にも、一定期間は水が使えるように受水槽に貯留する方式を採用した。

理由給水方式の特徴

給水方式(水道直結増圧方式)

高齢者介護施設の計画において、「建築物に採用した給水方式と採用した理由」は?

記述例

採用した方式:水道直結増圧方式

受水槽が不要で省スペースな方式を採用した。

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受水槽を用いず、水が滞留しない方式を採用した。

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受水槽の設置が不要で、管理する設備も少ない方式を採用した。

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解説

水道直結増圧方式を採用した場合の記述です。水道直結増圧方式では、水道本管から引き込んだ配水管に増圧ポンプを直結し、本管圧力の不足分を補って高所に給水します。

ポンプを自動制御して、一定圧力での給水が可能です。ポンプ直送方式と比較して、設備が少ないので、省エネで初期費用、維持管理費用とも抑えられます。また、受水槽を介さないので、水が新鮮です。

増圧ポンプは、管理部門階段の下等に設置できるので、建物内のスペースを有効活用できます。

水道直結増圧方式イメージ図
記述例

採用理由①:建物内スペースを有効利用するため受水槽が不要で省スペースな方式を採用した。

採用理由②:給水の衛生面に配慮して受水槽を用いず、水が滞留しない方式を採用した。

採用理由③:初期費用や維持管理費用を抑えるため受水槽の設置が不要で、管理する設備も少ない方式を採用した。

理由給水方式の特徴

給水設備の維持管理

次の図で、「給水設備(受水増、ポンプ)の維持管理について工夫したこと」は?

1階平面図

記述例

日常点検やメンテナンスの利便性に配慮した。

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点検作業やメンテナンスが行いやすいように計画した。

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解説

ポンプ直送方式では、受水槽の点検、清掃やポンプの点検、修繕、更新をする必要あります。プラン例では、設備機械室が管理部門かつ道路に近い外壁面に計画され、外扉もあるので維持管理や更新の利便性に優れています。

イメージ図
記述例

受水槽と直送ポンプを管理部門内の設備機械室に設置し、日常点検やメンテナンスの利便性に配慮した。

受水槽、ポンプの周囲に余裕のある配置とし、点検作業やメンテナンスが行いやすいように計画した。

理由計画内容

断水対策

地震等の災害時における、「断水対策(3日程度)」は?

記述例

断水時に受水槽に残っている水を使えるようにした。

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断水時でもトイレを使用できるようにした。

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解説

断水対策としては、受水槽を用いる給水方式を採用することが考えられます。断水時でも、受水槽に貯まっている分の水は使うことができます。

また、雨水利用設備を設けて、断水に備える方法も考えられます。雨水利用設備は雨水を貯めて、飲用以外に用いますが、雨が少ないときには、災害に備えて水道水を貯めておきます。

記述例

給水方式にポンプ直送方式を採用することで、断水時に受水槽に残っている水を使えるようにした。

雨水利用設備を設け、雨水を便所洗浄水に利用することで、断水時でもトイレを使用できるようにした。

理由計画内容

本日のドリルはここまでです。

明日は、応用ドリル(設備④)「給湯設備」です。