応用ドリル(設備③)「給水設備」

今年の課題「高齢者介護施設」で出題が想定される内容に重点的に取り組みます。
8月3日~8月30日の4週間は、「計画」「設備」「環境負荷低減」「構造」の順で、頻出項目を中心に基礎的な問題を出題します。
本日のテーマは、「給水設備」です。
給水方式(ポンプ直送方式)
高齢者介護施設の計画において、「建築物に採用した給水方式と採用した理由」は?
記述例
採用した方式:ポンプ直送方式
ポンプによる安定的な給水が可能な方式を採用した。
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受水槽に貯留する方式を採用した。
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解説
給水方式のうち、ポンプ直送方式を採用した場合の記述です。ポンプ直送方式は、水道本管から受水した水を一旦受水槽に貯めて、ポンプで各所に給水します。受水槽とポンプは、地上や設備機械室に設置します。
使用水量の変動に合わせて、台数制御や回転数制御でポンプを運転するので、水圧を一定に保てます。また、断水時に受水槽に貯まった水が使えるというメリットがあります。
デメリットとして、受水槽に貯めた水が汚染される恐れがあります。また、清掃や点検等の維持管理コストがかかります。


採用理由①:使用水量の変動に対応できるように、ポンプによる安定的な給水が可能な方式を採用した。
採用理由②:災害による断水が発生した際にも、一定期間は水が使えるように、受水槽に貯留する方式を採用した。
※理由、給水方式の特徴
給水方式(水道直結増圧方式)
高齢者介護施設の計画において、「建築物に採用した給水方式と採用した理由」は?
記述例
採用した方式:水道直結増圧方式
受水槽が不要で省スペースな方式を採用した。
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受水槽を用いず、水が滞留しない方式を採用した。
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受水槽の設置が不要で、管理する設備も少ない方式を採用した。
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解説
水道直結増圧方式を採用した場合の記述です。水道直結増圧方式では、水道本管から引き込んだ配水管に増圧ポンプを直結し、本管圧力の不足分を補って高所に給水します。
ポンプを自動制御して、一定圧力での給水が可能です。ポンプ直送方式と比較して、設備が少ないので、省エネで初期費用、維持管理費用とも抑えられます。また、受水槽を介さないので、水が新鮮です。
増圧ポンプは、管理部門階段の下等に設置できるので、建物内のスペースを有効活用できます。


採用理由①:建物内スペースを有効利用するため、受水槽が不要で省スペースな方式を採用した。
採用理由②:給水の衛生面に配慮して、受水槽を用いず、水が滞留しない方式を採用した。
採用理由③:初期費用や維持管理費用を抑えるため、受水槽の設置が不要で、管理する設備も少ない方式を採用した。
※理由、給水方式の特徴
給水設備の維持管理
次の図で、「給水設備(受水増、ポンプ)の維持管理について工夫したこと」は?


記述例
日常点検やメンテナンスの利便性に配慮した。
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点検作業やメンテナンスが行いやすいように計画した。
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解説
ポンプ直送方式では、受水槽の点検、清掃やポンプの点検、修繕、更新をする必要あります。プラン例では、設備機械室が管理部門かつ道路に近い外壁面に計画され、外扉もあるので維持管理や更新の利便性に優れています。


①受水槽と直送ポンプを管理部門内の設備機械室に設置し、日常点検やメンテナンスの利便性に配慮した。
②受水槽、ポンプの周囲に余裕のある配置とし、点検作業やメンテナンスが行いやすいように計画した。
※理由、計画内容
断水対策
地震等の災害時における、「断水対策(3日程度)」は?
記述例
断水時に受水槽に残っている水を使えるようにした。
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断水時でもトイレを使用できるようにした。
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解説
断水対策としては、受水槽を用いる給水方式を採用することが考えられます。断水時でも、受水槽に貯まっている分の水は使うことができます。
また、雨水利用設備を設けて、断水に備える方法も考えられます。雨水利用設備は雨水を貯めて、飲用以外に用いますが、雨が少ないときには、災害に備えて水道水を貯めておきます。
①給水方式にポンプ直送方式を採用することで、断水時に受水槽に残っている水を使えるようにした。
②雨水利用設備を設け、雨水を便所洗浄水に利用することで、断水時でもトイレを使用できるようにした。
※理由、計画内容
本日のドリルはここまでです。
明日は、応用ドリル(設備④)「給湯設備」です。
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