応用ドリル(構造②)「耐震計画、目標耐震性能」

今年の課題「高齢者介護施設」で出題が想定される内容に重点的に取り組みます。
8月3日~8月30日の4週間は、「計画」「設備」「環境負荷低減」「構造」の順で、頻出項目を中心に基礎的な問題を出題します。
今週は構造分野のドリルです。本日のテーマは、「耐震計画と目標耐震性能」です。
耐震計画
「建築物の耐震計画について考慮したこと」は?
記述例
地震時に局所的な応力集中が発生しないようにした。
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地震時に建物の局所的な変形が起きないように配慮した。
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地震時に柱や梁の脆性破壊が起きないように計画した。
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解説
建物の平面形状が非整形であったり、階高にばらつきがある場合、地震時に局所的な応力や変形が発生する危険性が高くなります。建物の平面立面形状をできるだけバランスよく計画することで、地震時の安全性が高まります。
①建物の平面形状を整形で計画し、地震時に局所的な応力集中が発生しないようにした。
②すべての階高を同一とし、バランスの良い立面計画とすることで、地震時に建物の局所的な変形が起きないように配慮した。
※理由、計画内容
構造スリットは、壁と柱、梁を切り離して部材の脆性破壊を防ぐために設けます。


③たれ壁や腰壁等の雑壁に構造スリットを設け、地震時に柱や梁の脆性破壊が起きないように計画した。
※理由、計画内容
目標耐震性能
「建築物に設定した目標耐震性能(地震力の程度と建築物の状態)」は?
記述例
構造体の大きな補修をすることなく、建築物を継続使用できることを目標とした。
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解説
耐震安全性について、国の施設に関しては、下表のように目標値が示されています。
構造体部分に関して
Ⅰ類…大地震動後、構造体の補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られるものとする。
Ⅱ類… 大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られるものとする。
Ⅲ類… 大地震動後、構造体の部分的な損傷は生じるが、建物全体の耐力の低下は著しくないことを目標とし、人命の安全確保が図られるものとする。
「国家機関の建築物及びその附帯施設の位置、規模及び構造のい関する基準」抜粋(平成6年12月5日建設省告示第2379号)
耐震安全性の分類は、建物の用途、重要度に応じて定められ、国の機関ではおおよそ下記のように分けられています。
Ⅰ類…有事の際に拠点として使用する行政機関の建物、及び病院
Ⅱ類…学校、社会福祉施設、拠点以外の病院
Ⅲ類…上記以外
今年の課題「高齢者介護施設」を考慮し、Ⅱ類を想定した記述としています。
公共性が高い福祉施設であることから、建築物の耐用年数中に震度6強~7程度の大地震が発生した場合に、構造体の大きな補修をすることなく、建築物を継続使用できることを目標とした。
※地震力の程度、建築物の状態
本日の記述ドリルはここまでです。
明日は、構造③「断面計画」です。
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