お知らせ

皆さんからの質問を募集します。12月1日の記事を参照ください。

添削室からのお便り④

2020年9月6日

こんにちは、源です。当研究所では添削室を開設し、モニターさんから解答を見せていただくことで受験生の皆さんが不得意な部分についての研究を始めています。

研究の成果がチラッと見えてきた時、お便りを書いています。

今回は、メインアプローチについて問われた時の解答方法です。自分の解答をチェックする際には、参考にしてみてください。

まず、下記の解答を自分が解答を添削するつもりで読んでください。

設問:このプランで駐車場と車寄せの計画について記述しなさい

モニターさん作成解答

駐車場は車回しと共用することでスペースを有効利用した。車寄せは主出入口正面に設け、移動距離が短くなるように考慮し、上部に庇を設け雨の日の来館でも利用者が濡れることなく入館できるように工夫した。車回しは一方通行とし、利用者にとってわかりやすく安全に通行できるように考慮した。

いかがですか?一通り読んで、どのような点に気づきましたか?

では、改善すべき点を確認していきます。この文章が、もっと伝わりやすくするために手を加えていきます。


設問:このプランで駐車場と車寄せの計画について記述しなさい画像

モニターさん作成解答

駐車場は車回しと共用することでスペースを有効利用した。車寄せは主出入口正面に設け、移動距離が短くなるように考慮し、上部に庇を設け雨の日の来館でも利用者が濡れることなく入館できるように工夫した。車回しは一方通行とし、利用者にとってわかりやすく安全に通行できるように考慮した。

解答の流れを追ってみます。解答例では下記の三つの文で構成されています。

①駐車場位置について

車回しの脇に駐車場を配置することで、スペースの有効活用について述べています。

②車寄せの位置、動線、庇について

車寄せの位置、動線、庇について述べています。一文の中に情報が多いです。このような場合は、二つの文に分割する方が伝わりやすいです。

③車回しの動線について

車回しについては、①の文で述べていますので、まとめることで伝えたい情報が分散しなくなり、伝わりやすくなります。

アプローチについて問われた時、考えることは以下の項目です。

  • 車両、歩行者の動線分離
  • 駐車場から主出入口までの距離、安全性
  • 車寄せの位置、構造

アプローチについて問われたときは、安全性を考慮していることを答えなければなりません。敷地内や周辺で交通事故が発生しないように、歩車の分離ができていたり、敷地への車両の出入りが安全にできる配慮が必要です。

また、高齢者施設であるため、車いす使用者駐車場や車寄せから主出入り口までの距離は短く、安全性が考慮されている必要があります。

アプローチに関する解答では、建物への出入りを「車両」と「歩行者」の視点で想像し、安全性、利便性について思い浮かぶことを記述しましょう。

車両歩行者の動線分離

車両、歩行者の動線分離は、敷地内、周辺で交通事故が発生しないように考慮します。今回のプランでは、南面道路に接する敷地中央に車回しを一方通行で計画しています。また、歩行者アプローチは、西側に車両出入り口と離しています。

ここで、用語を念のため確認しておきます。

車寄せとは、主出入口に近接させて計画する送迎用車両を一時的に停車させるスペースです。車回しとは、道路境界から主出入口までの車路を指します。一方通行、ロータリー、長方形などの形式があり、車の出入りが容易になるために設けられています。

以上から、まずは歩車分離を考慮したことを記述します。「南側道路に面して敷地中央に車両の出入り口を計画し、歩行者用経路を東側に車両出入口と離して計画することで、歩車分離した安全な計画とした。」

駐車場から主出入口までの距離、安全性

駐車場から主出入口までの距離、安全性について考えてみましょう。

車椅子使用者用駐車場は、主出入口まで距離を近づけなければなりません。また、駐車場から出入口までの経路は、車両との分離が明確にされている必要があります。さらに、経路では段差が生じないように、スロープや水勾配で処理していなければなりません。

駐車場に関しては、以下のように記述します。「車椅子使用者駐車場を主出入り口に近接し、主出入り口までの経路は水勾配で段差のないものとすることで利便性に配慮した。」

車寄せの位置、構造

車寄せの位置と構造についてです。車寄せは主出入口に近づけて計画します。また、今回のプランでは、一方通行の車路として安全に配慮しています。さらには、車寄せには、雨天時の乗降が安全に行えるように上部に庇を計画しています。

以上を踏まえ、「車寄せは主出入口に近接して計画し、また、上部には庇を設けることで雨天時の利用に配慮することで、施設利用者の安全と利便性に配慮した。」

以上をまとめ、今回の設問に答えるべき内容

  • 中央に車両、西側に歩行者とし、歩車分離した
  • 駐車場位置の近さと歩行経路の平坦性
  • 車寄せ位置の近さと雨天時利用考慮

それでは、解答を修正してみます。


設問:このプランで駐車場と車寄せの計画について記述しなさい

研究所作成解答

南側道路に面する敷地中央に車両の出入口を、西側に歩行者通路を計画することで、歩車分離した安全なものとした。駐車場は主出入口に近接させ、経路を水勾配で段差をなくすことで利用者の安全に配慮した。車寄せは主出入口に近くし、上部には庇を設けることで施設利用者の利便性を考慮した。

モニターさん作成解答

駐車場は車回しと共用することでスペースを有効利用した。車寄せは主出入口正面に設け、移動距離が短くなるように考慮し、上部に庇を設け雨の日の来館でも利用者が濡れることなく入館できるように工夫した。車回しは一方通行とし、利用者にとってわかりやすく安全に通行できるように考慮した。

当所作成解答では、アプローチの全体像を想像しやすくなったと思います。記述では、記述すべき項目の順番によっても伝わりやすさが変わります。定型文を覚えるだけではなく、文章の順序を考え、項目の優劣により取捨選択し、書くべきことだけを残していきます。

まとめ

アプローチに関する解答は建物への出入りを「車両」と「歩行者」の視点で想像し、安全性、利便性について記述しましょう

本日のお便りはここまでです。

追伸

本試験で「計画の要点等」を解答する際には、書くべきことを取捨選択している時間や、順序を考えている時間はありません。課題を解く際には、これらの作業を意識して、日頃から素早く書けるように訓練を進めてください。

いままでのお便りです。