【おしらせ】

学科試験勉強方法の経験談を募集しています。詳しくは11月16日の記事を参照してください。

添削室からのお便り②

2020年8月24日

こんにちは、源です。当研究所では添削室を開設し、モニターさんから解答を見せていただくことで受験生の皆さんが不得意な部分についての研究を始めています。

研究の成果がチラッと見えてきた時、お便りを書いています。

今回は、ゾーニングについて問われた時の解答方法です。自分の解答をチェックする際には、参考にしてみてください。

まず、下記の解答を自分が解答を添削するつもりで読んでください。

設問:このプランで各部門のゾーニングについて配慮したことを記述しなさい

モニターさん作成解答

1階は建物中央部のエントランスホールを中心とし、地域交流部門と管理部門を明確に分離し各動線が交差しないように考慮した。2階にデイサービス部門を、3階に住居部門を配置しフロアーごとにゾーニングすることで、利用者のわかりやすさに配慮した。また、各部門の出入り口を別にすることで、異なる利用形態や利用時間帯に対応し、個別に施錠するようセキュリティーに配慮した。

いかがですか?一通り読んで、どのような点に気づきましたか?

それでは、良い点から確認していきます。

文章全体がわかりやすい言葉が使ってあり、読み手が理解しやすいことです。また、計画したことと理由がセットになっていて、きちんと計画内容を説明してあるところが良いところです。

難しい言葉を使う必要は全くありません。普段の使い慣れた言葉で丁寧に説明すれば伝わります。このままの解答でも十分に得点はありますが、修正すべき点もあります。

では、改善すべき点を確認していきます。この文章が、もっと伝わりやすくするために手を加えていきます。

設問:このプランで各部門のゾーニングについて配慮したことを記述しなさい

モニターさん作成解答

1階は建物南側のエントランスホールを中心とし、地域交流部門と管理部門を明確に分離し各動線が交差しないように考慮した。②2階にデイサービス部門を、3階に住居部門を配置しフロア ーごとにゾーニングすることで、利用者のわかりやすさに配慮した。③また、各部門の出入り口を 別にすることで、異なる利用形態や利用時間帯に対応し、個別に施錠するようセキュリティーに 配慮した

解答の流れを追ってみます。解答例では下記の三つの文で構成されています。

①1階部分の動線分離について

1階平面のゾーニングについて述べていますが、地域交流部門と管理部門についてのみであり、住居部門については触れられていません

②2階、3階の階別ゾーニングについて

階別ゾーニングの説明ですが、2、3階のみであり1階の説明がありません

③出入口とセキュリティーについて

各部門の内容が「地域交流部門」「デイサービス部門」「住居部門」「管理部門」のうち、どれを示すのかが不明確です。

説明する項目については、個別に完結させる必要があります。全体がしっかり説明されている文章はスムーズに読めるようになっています。

ゾーニングについて問われた時、考えることは以下の項目です。

  • 施設利用者(訪問者、住人)と管理者の動線分離
  • 部門、利用時間帯、履き替えなどによる分離

ゾーニングについて問われたときは、平面だけではなく、立面についても考慮したことを答えなければなりません。

また、物事を説明する時には、大枠から説明し、順に細かな部分を説明していくと伝わりやすくなります。今回の場合は内部動線を説明しますが、敢えてアプローチを絡めることで読み手が理解しやすくなります。

ゾーニングの設問に関する解答では、記述を読んだときに図面の概要が思い浮かぶことが理想です。上手に書いてある記述では、図面を見なくても、設計概要が思い浮かぶように記述されています。

施設利用者(訪問者、住人)と管理者の動線分離

施設利用者(訪問者、住人)と管理者の動線分離は、まず、道路からのアプローチに起因して分離されています。ゾーニングの問題ですので、アプローチについて細かく説明する必要はありませんが、今回はアプローチの分離と内部動線分離が密接に関係していることから、まず、アプローチについて述べます。

側道路から利用者側道路から住人西側道路から管理者」のアプローチを計画し、動線を分離させていることを説明します。

部門、利用時間帯、履き替えなどによる分離

部門、利用時間帯、履き替えなどの違いについて考えてみましょう。

部門としては、「施設利用者(地域交流部門、デイサービス部門)」「住人(住居部門)」「管理者(管理部門)」に分かれます。

アプローチで分離されていますので、「建物南側を利用者の部門とし、北東側に住居部門入口、北西側に管理部門を設け、明快なゾーニングとした。」

次に、利用時間帯履き替えによる分離について考えます。同時に階別ゾーニングについても考えていきます。

利用時間として設定されているのは、地域交流部門(午前9時から午後6時まで)、デイサービス部門(午前10時から午後5時まで)となっており、デイサービス部門の利用時間が前後1時間短くなっています。利用時間帯によるゾーニングは部門のゾーニングと同じですので記述では省略します。

履き替えとしては、地域交流部門は下足利用、デイサービス部門は上足利用です。しかし、履き替えによるゾーニングも部門のゾーニングと同じですので記述では省略します。

階別ゾーニングですが、地域交流部門はデイサービス利用者だけではなく、近隣住民も含め、多くの集客を見込むことから1階に計画し、わかりやすさを優先します。デーサービス部門は、履き替えや地域交流部門とのつながりを考慮して2階に計画します。住居部門は、最上階に計画することで「落ち着き、静寂、見晴らしの良さ」などを考慮して計画します。

以上をまとめ、今回の設問に答えるべき内容

  • 三面接道道路からアプローチを分け、それぞれの部門ごとの動線も分けた
  • (平面)南側に利用者関連部門、北西に管理部門、北東に住居部門と分けた
  • (立面)1階に地域交流部門、2階にデイサービス部門、3階に住居部門と分けた

それでは、解答を修正してみます。

設問:このプランで各部門のゾーニングについて配慮したことを記述しなさい

研究所作成解答

敷地三面に接道する各道路からアプローチを分け、 建物南側を利用者部門、北東側に住居部門入口、北西側に管理部門を設け、各動線が交錯しない明快なゾーニングとした。 多くの利用者を見込む地域交流部門を1階に計画し集客性に配慮した。外部からの利用者と住人の利便性に配慮し、デイサービス部門を2階に計画した。住居部門は専用入口でセキュリティーに配慮し、落ち着いた環境とするため3階に計画した。

モニターさん作成解答

1階は建物中央部のエントランスホールを中心とし、地域交流部門と管理部門を明確に分離し各動線が交差しないように考慮した。2階にデイサービス部門を、3階に住居部門を配置しフロアーごとにゾーニングすることで、利用者のわかりやすさに配慮した。また、各部門の出入り口を 別にすることで、異なる利用形態や利用時間帯に対応し、個別に施錠するようセキュリティーに配慮した。

当所作成解答では、モニターさんが作成した解答に比べ、ほぼ同じ字数でありながら、平面から立面を説明し、建物の全体像を想像しやすくなったと思います。ゾーニングについて問われたときには、図面を見なくても記述を読むだけで建物の概要が伝わるように心がけましょう。

まとめ

ゾーニングについて問われた時には、建物の概要がわかるような記述を心がけましょう

本日のお便りはここまでです。

追伸

記述問題を解答する際に考えることは、エスキスの時に考えたことと同じです。配置理由を考えながらエスキスを進めていれば、記述で悩むことはありません。記述の勉強はエスキスの上達にもつながります。逆もまたしかりです。

前回のお便りです。