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【一級建築士製図試験】計画の要点等 給水設備②

2022年9月17日

「計画の要点等」の設備分野において、最近は減少傾向ではありますが、給排水衛生設備に関して問われることがあります。

今回は給排水衛生設備のうち、給水設備についての続きです。「高齢者介護施設」との課題が発表され、基準階方式の建物となる可能性もありますので、その場合に採用できる給水方式を追加しておきます。

キーワード

直結直圧・増圧併用式

問題

建物で採用した給水方式とその特徴は?

解説

直結直圧・増圧併用式

低層階である1、2階へは、水道本管の水圧をそのまま利用する直結給水をします。3~5階の基準階部分である住居へは、増圧ポンプで給水する方式です。この方式は、増圧ポンプのみで給水する場合に比べ、低層階での直結給水に関するメリットがあります。

以下にこの方式の特徴を示します。

メリット

  • 受水槽を経由しないため、水が常に新鮮(直結・増圧)
  • 停電時でも給水可能(直結・増圧の低層階)
  • 電気代が不要(直結)
  • 設備メンテナンスが不要(直結)
  • 設備がコンパクト(直結・増圧)
  • 水質が安定(直結・増圧)

デメリット

  • 断水時に貯留水が存在しない(直結・増圧)
  • 本管の圧力低下により水の出が悪くなる(直結)
  • 停電時に断水する(増圧の上層階)

まとめ

低層階への直結給水部分では、電力を必要としないため省エネルギーです。

基準階部分での直結増圧給水部分では、水道本管の圧力低下の影響を受けずに給水ができるが、設備のメンテナンスや電気代が必要となります。

停電が発生した場合でも、低層階(3〜4程度)では断水することなく水が出ます。

解答例

2階まで直結直圧給水し停電時にも断水せず、また、3から5階へは直結増圧給水し配水本管圧力に影響されず安定した給水が可能となる直結給水・増圧併用方式を採用した。

まとめ

給水設備に関する設問は、各方式のメリット・デメリットを覚えておき対応しましょう。

その他の給水方式の記事はこちらを参照してください。