【一級建築士製図試験】計画の要点等 構造、架構、スパン、部材寸法

計画の要点等で必ず出題されるのが、「建築物(大空間室)の構造種別、架構形式、スパン割り、部材寸法」についての設問です。確実に得点したいこのテーマについてまとめます。
鉄筋コンクリート造 ラーメン架構 耐久性 耐火性 遮音性 靭性 平面計画の自由度 均等スパン 柱1本あたりの負担荷重 部材寸法
問題
建築物に採用した構造種別、架構形式、スパン割りと採用理由を記述する。また、主要な部材の寸法を記述する。
解説
構造種別、架構形式、スパン割りの設問では、建築物全体について問われる場合と、特定の大空間室について問われる場合があります。どちらが問われているのか注意して、的確に記述できるようにしましょう。
構造種別
一級建築士製図試験では、まず鉄筋コンクリート造と考えてよいでしょう。
鉄筋コンクリート造の特徴として、耐久性、耐火性、遮音性等に優れるということを押さえましょう。
架構形式
試験では、ラーメン架構で計画すると考えればよいです。
ラーメン架構の特徴として、靭性に優れる、平面計画の自由度が高いということを押さえましょう。
スパン割り
スパン割りはX方向、Y方向とも7mの均等スパンとしたいところですが、近年の製図課題では均等スパンでは計画できない場合が多いです。
均等スパンで計画できなければ、柱1本あたりの負担荷重が過大になっていないことを記述できればよいでしょう
部材寸法
部材寸法は一般的な寸法と、その寸法とした理由を暗記しておきましょう。
部材 | 寸法(mm) | 理由 |
柱 | 700×700 | 3階建ての適正な寸法 荷重を安全に伝達 |
PC梁を 支える柱 | 800×800 | 荷重を安全に伝達 |
大梁 | 500×800 | 十分な部材寸法 (スパンの1/12以上の梁せい) |
PC梁 | 500×1200 | 大スパンを安全に支持 |
小梁 | 300×600 | 十分な部材寸法 (スパンの1/10以上の梁せい) |
スラブ厚 | t=200 | 振動や騒音に配慮 |
解答例
構造種別
建物の用途を考慮し、構造種別は耐久性及び耐火性に優れる鉄筋コンクリート造を採用した。
架構形式
架構形式は平面計画の自由度が高く、靭性に優れるラーメン架構とした。
スパン割り
スパン割りはX方向、Y方向とも7mの均等スパンで計画し、ラーメン架構の安定性に配慮した。
スパン割りはX方向を7m、Y方向を7mまたは8mとし、柱1本あたりの負担荷重が過大とならないように配慮した。
部材寸法
最近の解答用紙では、部材寸法の記入欄が設けられており、寸法のみ記入すればよい場合が多いです。
部材寸法について理由を問われた場合は、以下のように答えます。
大梁の梁せいは800mmとし、構造耐力上十分な部材寸法を確保した。
PC梁を支持する柱は、800mm×800mmとし、荷重を安全に伝えられるように考慮した。
構造種別、架構形式、スパン割り、部材寸法についての記述は、ほぼ暗記で対応可能です。
それぞれの採用理由と特徴をセットで覚えましょう。
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