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【一級建築士製図試験】計画の要点等 基礎計画

2020年6月21日

「計画の要点等」では、基礎計画について問われることがあります。基礎計画は、どのような点に配慮して解答すればよいかを解説します。

問題文

地盤条件及び「経済性」を踏まえて、採用した基礎構造の形式について考慮したことを記述する。

解説

キーワード

直接基礎 べた基礎 独立基礎 布基礎 地盤改良 柱状改良 杭基礎 免震基礎 不同沈下 支持地盤

基礎は直接基礎(べた基礎、独立基礎、布基礎)と杭基礎に分けられます。また、支持地盤の深さや地盤条件によって、直接基礎に地盤改良柱状改良を併用することもあります。

近年の出題傾向では、土質傾向、地下水位の条件を示していますので、これらの条件を加味しながら基礎形式を決定しなければなりません。

なお、免震基礎の場合は課題発表時に問題文で指定されますので、言及がない場合は免震基礎の出題はありません。

以下に各基礎形式の特徴をまとめます。

べた基礎

べた基礎は直接基礎の一種であり、基礎の底板を鉄筋コンクリートとする基礎です。 同じ直接基礎の布基礎や独立基礎立と比較して経済性に劣りますが、 柱からの荷重を基礎底面すべてで受けることができるため、不同沈下対策として有効です。

直接基礎(べた基礎、布基礎、独立基礎)は支持地盤が浅い場所に採用します。(支持地盤が地表面から0~3mの深さ)

杭基礎

杭基礎は支持地盤が深い場所(支持地盤が地表面から10以上の深さ)に採用します。支持地盤が深い場合、直接基礎や地盤改良では施工費用が高くなり経済性に劣るため、柱基礎を選定します。

杭基礎支持層の条件は、目安として、N値が50以上、支持層厚さ杭径の5倍以上です。また、杭先端は支持層に1m以上入れ余掘量は0.5m以下とします。

杭基礎は大別して、既成杭工法場所打ちコンクリート杭工法があります。

既成杭工法ではPHC杭を用いた工法が主流で、施工方法はプレボーリング拡大根固め工法が主流です。

プレボーリング拡大根固め工法は、杭径によって中掘り外堀り工法があります。杭径600mm以上で採用する中掘り工法の方が、施工中でも穿孔機械が自立することが可能なため安全性が高いという特徴があります。

場所打ちコンクリート工法は、あらかじめ掘削した穴に鉄筋かごを立てこみコンクリートを流し込む工法です。杭の周面摩擦抵抗を利用する工法であるため、先端支持力を利用する既成杭工法と比較して、杭周囲の地盤条件の影響を受けることになります

杭工法を選定する場合には、PHC杭によるプレボーリング拡大根固め工法を選定するのが無難です。

地盤改良

地盤改良は、設計製図試験では支持地盤が地表面から3~10m程度の深さにある場合に使用します。 代表的な工法としては、表層改良と柱状改良があります。

表層改良は表層部の土を撤去し、現地で土とセメントミルクを混合させ、締め固め・転圧を行うという工程で、支持地盤が地表面から3~5m程度の場合に用います。

柱状改良は円柱型の穴を掘採してセメントミルクを注入して土と混合させ、セメントの杭を生成する工法です。支持地盤が地表面から5~10m程度の場合に用います。

支持地盤が傾斜している場合には、べた基礎と地盤改良を併用することで、杭基礎を採用するよりも経済性に配慮した設計が可能となります。

免震基礎

免震基礎は、基礎梁の下に免震装置(積層ゴムアイソレータ)を設けたものが一般的です。当該装置は薄いゴムと鋼板を交互に重ね合わせて内部にダンパーを組み込んだもので、鉛直方向には硬く水平方向には柔らかいため、建物の荷重を支えつつ地震力を低減することが可能です。

また、地震時には建物が動くため、建物と周囲地盤の間にクリアランスが必要です。クリアランスは0.5m以上とします。なお、免震装置は定期点検のため、点検口を設備機械室等の管理部門に設けるか、ドライエリアから地下に降りるためのタラップを設ける必要があります。

解答例

べた基礎

地盤条件からGL-1.2m以深を支持地盤とすることが可能であり、建物内に大空間が多く偏心荷重による不等沈下の恐れがあることから、経済性及び基礎の安定性に優れるべた基礎を採用した。

独立基礎

地盤条件からGL-1.2m以深を支持地盤とすることが可能であり、 建物が整形であることから、経済性に最も優れる独立基礎を採用した。

杭基礎

支持地盤がGL-10mと深いことから杭基礎を選定し、施工性を考慮してPHC杭によるプレボーリング拡大根固め工法を採用した。

支持地盤がGL-10mと深く杭周囲の摩擦抵抗が期待できることから、場所打ちコンクリート杭工法による杭基礎を採用した。

地盤改良

支持地盤がGL-5mであるため、GL-3.0以深を表層改良するとともに、安定性の高いべた基礎を採用し、基礎底面を GL-3.0mの深さとした。

支持地盤が傾斜していることから、柱状改良とべた基礎を併用することとし、経済性に配慮した

免震基礎

免震装置は積層ゴムアイソレータを採用し、建物加重を支えつつ地震力を低減できるようにした。
地震時の建物の水平変位を考慮し、周囲の壁との間に0.5m程度のクリアランスを設けた。
免震装置を点検できるように、一階の設備機械室に地下に降りる点検口を設けた。

まとめ

基礎の問題は、支持地盤の深さを確認して基礎構造を選定するようにしましょう。

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