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【一級建築士製図試験 計画の要点等】過去問でどれだけ対応できるか?(その2)

2022年9月17日

前回の記事に引き続き、令和元年の計画の要点等が「過去問でどれだけ対応できるか」という視点で解説します。

令和元年本試験が、どの過去問の知識で対応できたのか、過去問をベースにどのように勉強すれば記述できるのかご説明します。

令和元年出題内容

問題類似問題出題年
(1)展示とアトリエのゾーニングH26,H26再,H27,H30
(2)搬入口から展示室までの動線H22
(3)分館と本館の動線H30
(4)展示室の設えH29,H30
(5)吹拔け周囲の採光H24,H25,H26,H28,H29
(6)公園の眺望に配慮した日射遮蔽H21,H24,H25,H29,H30
(7)屋上庭園の断面計画H23
(8)建築物の構造計画ほぼ毎年
(9)多目的展示室の構造計画H22,H24,H28,H30
(10)多目的展示室の空調吹出し口計画H24,H25

本日は、6番から10番まで解説します。

(6) 公園の眺望に配慮した日射遮蔽

日射遮蔽についての記述は、頻出問題です。

日射遮蔽手法としては、ルーバー、庇、Low-Eガラス等があります。

これらについて記述ができるように、文章を用意しておきましょう。

今回は、留意事項に「ガラスはLow-Eガラスとする」と記載がありましたので、Low-Eガラスについての記述はできません。

また、公園の眺望を確保する必要があるので、単純にルーバーを設けることはできません。

記述する内容は、次のようなものがあります。

  • 可動式水平ルーバー
  • 可動式鉛直ルーバー
  • 窓面の位置を工夫
  • ルーバー設置高さを工夫

例えば、下図のように、ルーバーを設けて日射遮蔽したことを記述します。

西側の鉛直ルーバーを可動式として、時間帯により眺望を確保する計画です。

平面図
断面図

イメージ図必須となっていましたので、このような図を書けば問題ないでしょう。

一見、新規問題のように感じても、冷静に持っている知識で記述することが重要です。

(7) 屋上庭園の断面計画

平成23年に出題された「スラブと小梁の架け方」を参考に、スラブ下げを勉強しておけば対応できたと思います。(下図参照)

スラブ下げとは、配管スペース等を確保する目的で、スラブの架ける高さを200mm程度下げることです。

スラブ下げ断面図

今回の屋上庭園断面計画例は、下図のようになります。イメージ図もこのようなもので問題ないでしょう。

客土の深さを確保するために、スラブを下げて、その分大梁せいを大きくすることを記述します。

屋上庭園計画例

(8) 建築物の構造計画

ほぼ毎年出題されている問題です。

構造種別、架構形式、スパン割りについての定型文を暗記していれば、問題なく記述できます。

部材寸法もしっかり覚えておきましょう。

(9) 多目的展示室の構造計画

頻出問題である、大空間の構造計画です。

PC梁を用いた架構についての定型文を暗記していれば、問題なく記述できます。

部材寸法もしっかり覚えておきましょう。

(10) 多目的展示室の空調吹出し口

平成24年、平成25年に出題されています。

吹出し口の選択肢に、見慣れない「幅木」がありましたが、知っているものを選択して記述すればよいです。

空調方式についての過去問を勉強して、各方式のダクト配置等を理解できていれば記述できたでしょう。

天井吹出しとした例

このような絵をよく練習して、機器やダクトの構成を想像できるようにしましょう。

以上、2回に渡り「過去問でどれだけ対応できるか」という視点で、令和元年本試験を解説しました。

後半の問題についても、過去問をベースに勉強すれば十分対応できることをご理解いただけたのではないでしょうか。

こちらの記事で過去問をまとめていますので、よろしければご覧ください。