【一級建築士製図試験 計画の要点等】過去問でどれだけ対応できるか?(その1)

本日は、令和元年本試験の計画の要点等を、「過去問でどれだけ対応できるか」という視点で解説したいと思います。
令和元年本試験が、どの過去問の知識で対応できたのか、過去問をベースにどのように勉強すれば記述できるのかご説明します。
令和元年出題内容
問題 | 類似問題出題年 | |
(1) | 展示とアトリエのゾーニング | H26,H26再,H27,H30 |
(2) | 搬入口から展示室までの動線 | H22 |
(3) | 分館と本館の動線 | H30 |
(4) | 展示室の設え | H29,H30 |
(5) | 吹拔け周囲の採光 | H24,H25,H26,H28,H29 |
(6) | 公園の眺望に配慮した日射遮蔽 | H21,H24,H25,H29,H30 |
(7) | 屋上庭園の断面計画 | H23 |
(8) | 建築物の構造計画 | ほぼ毎年 |
(9) | 多目的展示室の構造計画 | H22,H24,H28,H30 |
(10) | 多目的展示室の空調吹出し口計画 | H24,H25 |
本日は、1番から5番まで解説します。
(1) 展示諸室とアトリエ諸室のゾーニング
ゾーニングの問題は定期的に出題されています。
過去問を参考に、記述文をある程度用意しておきましょう。
令和元年の留意事項には「展示部門とアトリエ部門を適切にゾーニング」とありますので、うまく計画できていれば問題なく記述できます。
また、階別ゾーニングのように明確にゾーニングできなかった場合のために、言い訳記述を用意しておくとよいです。
展示部門とアトリエ部門は、EVホールを中心に東西に分けてゾーニングし、利用者に分かりやすい配置とした。
多目的展示室は、地域住民が気軽に利用できるよう1階に配置した。
(2) 搬入口から展示室までの動線
平成22年の類似問題です。
課題発表後に過去問をチェックして、練習していれば対応できたでしょう。
記述したい内容は、下記のとおりです。
- 搬入口にEVを近接
- 廊下幅を広く計画
- 各室の出入口幅を広く計画
- 管理部門から展示室に動線を計画
このように記述できるプランになっていれば、迷うことはないでしょう。
うまくプランニングできなかった場合の言い訳記述としては、次のようなものが考えられます。
展示物の搬入は営業時間外に利用者部門を通って行うこととしたので、管理部門からの出入口幅を広く計画した。
※図面との整合に注意しましょう。出入口幅ならなんとかなるのではないでしょうか。
(3) 分館と本館の動線
平成30年の類似問題です。
平成30年は、隣接敷地のカルチャーセンター等との動線計画でした。
過去問を参考に、本館と分館の動線計画についての記述文を用意してけば対応できます。
記述したい内容は、下記のとおりです。
- 主出入口やサブ出入口を本館側に計画
- 本館からカフェが利用しやすい
- 敷地内に本館への通路を確保
このように記述できるプランになっていれば問題ありません。
うまくプランニングできなかった場合の記述としては、次のようなものが考えられます。
敷地内に本館への通路を計画し、相互利用しやすいように配慮した。
※敷地内に通路を書いて、なんとかしましょう。
(4) 展示室の設え
平成29年と平成30年に出題された、「コンセプトルーム」の類似問題といえます。
美術館の分館で想定されるコンセプトルーム案を考えておけば、内装や什器について記述できるのではないでしょうか。
また、平成22年の「照明器具の問題」も参考になります。
美術品をスポットライトで照らす等、美術館ではよくある手法です。
記述の際のキーワードは、下記のとおりです。
- 遮光カーテン
- 防音壁
- 無窓室
- スピーカー
- スポットライト
※防音二重壁とした場合や、無窓にした場合、図面との整合に注意しましょう。
(5) 拔け周囲の採光
吹拔けからの自然採光に関する問題は頻出問題です。
自然採光の方法としては、下図のように、吹抜けを外壁面に配置するか、中央に配置するかが想定できます。




これらに対応する記述を用意しておけば、自分のプランに応じて記述できます。
記述したい内容は、下記のとおりです。
- 外壁面に配置した吹拔けから自然採光を取り入れる
- トップライトのある吹拔けから自然採光を取り入れる
まとめ
「過去問を勉強することで、どれだけ対応できるか」という視点で、令和元年本試験の計画の要点等を解説しました。
過去問をベースに勉強することで、十分対応可能とお分かりいただけると思います。
次回は、後半の問題について解説します。
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