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【一級建築士製図試験 計画の要点等】補足図、イメージ図まとめ(設備編)

2022年9月17日

一級建築士製図試験の記述問題である「計画の要点等」では、記述に加えて計画概要を図示することが要求されます。

これまでは「補足図記入欄」とあり、あくまで任意の記入でしたが、令和元年試験では「イメージ図記入欄」に変わり、「必ず記入」と注意書きがありました。

イメージ図は、今後も記入が必須となる可能性が高いので、対策が重要です。

これまでの補足図、イメージ図に関する出題についてまとめ、対策のヒントを考えてみたいと思います。

補足図、イメージ図出題状況

計画構造設備環境
H25
H26
H26再
H28
H29
H30
R1
R1再

※環境負荷低減

本日は「設備」分野の出題について解説します。

平成28年

平成28年の設計課題は「子ども・子育て支援センター」でした。

計画の要点等は7問出題され、うち2問について共通の補足図記入欄がありました。

出題内容

環境負荷低減に関する設備的手法について、「太陽熱」、「地中熱」、「井水」から2つ選択して。利用方法と効果を記述するものです。

利用方法と効果の考え方を「システム図等で補足してもよい」とされました。

また、環境負荷低減の建築的手法として、「自然採光」と「自然通風」についての問題がセットで出題されました。

解答欄

記述欄と補足図記入欄は下図のとおりです。環境負荷低減の2問で共通の補足図欄となっていました。

解答用紙イメージ

図示例

太陽熱

太陽熱は、主に給湯や暖房に利用するのが一般的です。下図のように集熱器、蓄熱槽、貯湯槽等のシステム概要をかくとよいでしょう。

太陽熱集熱システム

地中熱

地中熱利用は、約10m以深の地中温度が年間を通して一定であることを利用しするものです。

建築物への利用方法としては、ヒートポンプの熱源とするもの、外気供給の際に地中配管を通して熱交換するものがあります。

地中を通して外気を導入

井水

井水を散水等に利用することにより、水道使用量を削減する。また、地下水利用ヒートポンプの熱源とすることが考えられます。

井水を屋上緑化散水に利用

令和元年

設計課題は「美術館の分館」で、計画の要点は10問出題されました。

前年までの「補足図」でなく「イメージ図」が要求された問題は3問あり、1問が設備分野でした。

出題内容

多目的展示室の空調吹出し口設置位置を「壁、床、天井、幅木」から選択して、考慮したことを記述するものです。

イメージ図記入欄に吹出し口の設置計画を示すことが求められました。

解答欄

下図のように解答欄と補足図欄が用意されました。

解答用紙イメージ

図示例

多目的展示室は天井の高い空間であり、専用の空調機室が要求されていましたので、空冷ヒートポンプパッケージダクト接続型か単一ダクト方式で計画するのが妥当です。

吹出し口やダクトの配置を図示します。

天井吹出しとした例

令和元年 再試験

令和元年は、台風の影響により関東地方で再試験が行われました。

設計課題は本試験と同様「美術館の分館」で、計画の要点は10問出題されました。

出題内容

多目的ホールの空調方式と、冷暖房計画で考慮したことを記述する問題でした。

解答欄

下図のように、記述欄とイメージ図記入欄が用意されました。

解答用紙イメージ

図示例

多目的ホールは天井が高い空間であり、専用の空調機室の要求があったので、空冷ヒートポンプパッケージダクト接続型か単一ダクト方式で計画するのが妥当です。

これら方式の概要を、ダクトや吹出し口の配置を図示して説明します。

また、冷暖房計画の工夫について、気流分布等を描いて示します。

床吹出し方式とした例

まとめ

以上、「設備」分野の補足図についてまとめました。

設備の補足図は、空調やその他設備の概要を簡単な図で説明できるように練習しておきましょう。