【一級建築士製図試験 計画の要点等】補足図、イメージ図まとめ(構造編)

一級建築士製図試験の記述問題である「計画の要点等」では、記述に加えて計画概要を図示することが要求されます。
これまでは「補足図記入欄」とあり、あくまで任意の記入でしたが、令和元年試験では「イメージ図記入欄」に変わり、「必ず記入」と注意書きがありました。
イメージ図は、今後も記入が必須となる可能性が高いので、対策が重要です。
これまでの補足図、イメージ図に関する出題についてまとめ、対策のヒントを考えてみたいと思います。
補足図、イメージ図出題状況
※環境負荷低減
本日は「構造」分野の出題について解説します。
平成25年、平成26年
平成25年の設計課題は「大学のセミナーハウス」、平成26年の設計課題は「道の駅」でした。
どちらの年も設計条件で勾配屋根が指定され、8問出題された計画の要点等のうち1問で、補足図記入欄がありました。
出題内容
設計条件で指定された、勾配屋根の構造計画についての工夫を記述することが求められました。
解答欄
下図のように、記述欄と補足図欄が用意されました。


図示例
勾配屋根の形状によりますが、記述内容は次のようなものが考えられますので、これらを説明するための、簡単な梁伏図や断面図を描けばよいでしょう。
- 棟を中心に左右対称な架構とした
- 棟は大梁で受けるシンプルな形状とした




平成26年 再試験
平成26年は、台風の影響で沖縄のみ再試験が行われました。
設計課題は本試験と同じく「道の駅」でしたが、勾配屋根は指定されませんでした。
8問出題された計画の要点等のうち1問で、補足図記入欄がありました。
出題内容
80㎡の梁を設けない吹抜けが要求されており、その吹抜け部分の構造計画について、補足図付きで問われました。
解答欄
下図のように解答欄と補足図欄が用意されました。


図示例
記述内容としては、次のようなものがありますので、簡単な梁伏図で図示するとよいでしょう。
- スパン割りに合わせた形状とした
- 片持ち梁を用いない架構とした
- 片持ち梁は2.5mとした




令和元年 本試験、再試験
令和元年は、大風の影響により関東地方で再試験が行われました。
設計課題は「美術館の分館」で、本試験、再試験ともに計画の要点は10問出題されました。
前年までの「補足図」でなく「イメージ図」が要求された問題は3問あり、1問が構造分野でした。
出題内容
出題内容は本試験、再試験ともに、屋上庭園の断面計画についてでした。
スラブの架け方、バリアフリー、防水についての考え方を記述するものです。
解答欄
下図のように、記述欄とイメージ図記入欄が用意されました。


図示例
記述内容としては、次のようなものが考えられますので、平面図と断面図により表します。
- 客土部分の深さを考慮した梁せい
- 防水に配慮したスラブ下げ
- バリアフリーに配慮した段差処理


まとめ
以上、 「構造」分野の補足図についてまとめました。
構造の補足図は、近年は出題されなくなった梁伏図や、作図であらわれない断面図等を描いて、構造の知識をアピールしましょう。
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