【一級建築士製図試験】計画の要点等 排水設備

「計画の要点等」の設備分野において、最近は減少傾向ではありますが、給排水衛生設備に関して問われることがあります。
今回は給排水衛生設備のうち、排水設備についてまとめます。
横引き排水管 縦排水管 パイプシャフト(PS) 二重床 汚水槽
問題
排水管の計画で、建築物の断面計画について考慮したことを記述する。
パイプシャフトの配置計画について考慮したことを記述する。
解説
一級建築士試験で問われる排水設備としては、建物内の生活系排水を対象とすればよいでしょう。
建物内において扱う生活系排水には、便所からの排水である汚水と浴室や洗面からの排水である雑排水があります。
排水方式として、汚水と雑排水を別々の配管で建物外に運ぶ分流式と、汚水と雑排水を同じ配管で運ぶ合流式があります。
一級建築士試験では、特に指定がなければ合流式で考えます。また、そこまで詳細な製図や記述は求められないでしょう。よって、とにかく建物の中から外への排水経路について、適切に記述すればよいわけです。
排水経路
各階の便所や浴室の排水を横引き排水管で下階に流す排水縦管に集めます。横引き管は天井裏に配管するか、二重床としてスラブの上に配管します。
スムーズに排水するために自然勾配をつける必要があるので、あまり長い横引き配管はできません。(天井に出てきてしまう)
排水縦管は適宜設けたパイプシャフト(PS)内に配管します。パイプシャフトは排水が出る場所に近接した下階に設けます。
排水縦管により1階まで運ばれた排水は、1階床下の横引き排水管で建物外の排水ますに集められ、下水本管に排水されます。
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地階の排水
地階の排水については、下水本管に排水するためにポンプアップが必要な場合があります。
地階床下に汚水槽を設け、たまった汚水を建物外の排水ますにポンプアップします。
解答例
水回りはスラブを200mm下げ二重床とすることで、排水横引き管のスペースを確保した。
PSは漏水に配慮し、横引き管が短くなるように、水回りに近接して設置した。
地階の排水に配慮して、汚水槽を設け、ポンプアップにより排水する計画とした。
排水設備に関しては、基本的な排水経路をイメージできるように学習しましょう。
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