一級建築士記述ドリル(設備⑤)「空調吹出し口その2」

本日のドリルは、「空調吹出し口その2」です。吹抜け部分の吹出し口計画についての記述を確認します。
問題1
次の図で、「吹抜け部分を良好な環境とするために、空調吹出口と吸込口の位置について工夫したこと」は?
記述例


吹抜け部分を効率的に空調できるように計画した。
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ショートサーキットのない効率的な気流分布を実現できるように計画した。
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解説
吹抜け部分を快適な環境とするための、吹出し口と吸込口の位置について記述する問題です。
建築物の中央部に吹抜けがある場合の記述例について解説します。
①吹抜け部分は、天井が高くなり、床面付近に気流が届きにくいため、2階梁下から斜め下に吹出します。
②ショートサーキットとは、吹出した給気が直接吸い込まれることです。吹出し口と吸込口を近づきすぎないように配置し、ショートサーキットを防止します。


①吹抜けに面する2階梁下に到達距離の長いノズル型吹出口を設置し、吹抜け部分を効率的に空調できるように計画した。
②吸込口を1階天井面や床面付近に設け、吹出し口から適度に離すことにより、ショートサーキットのない効率的な気流分布を実現できるように計画した。
※理由、計画内容
問題2
次の図で、「吹抜け部分の冷暖房計画の注意点と対応策(吹出し口、吸込口の位置等)」は?
記述例


注意点
- 高さ方向の温度分布に差が生じる
- 居住域まで気流が行き渡らない
- 夏期は開口部付近の冷房負荷上昇
- 冬期は開口部付近でコールドドラフト発生
などが懸念される。
対応策
吹抜け中央部に空調気流が届ように考慮した。
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ショートサーキットの防止を図った。
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ペリメーターゾーンに吹出し能力の高いスロット型吹出し口を配置した。
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解説
吹抜け部分における冷暖房計画についての問題です。注意点と対応策に的確に答える必要があります。
注意点
吹抜け部分は天井が高くなるので、冷暖房の気流が行きわたりにくくなります。
冬期は暖気の上昇により、高さ方向に温度差が生じ、底冷えする場合があります。
開口部付近では、夏期の冷房負荷上昇、冬期のコールドドラフト発生が考えられます。


対応策
①吹抜け中央部に気流を届かせるため、ノズル型吹出し口で斜め下に吹出します。
②吸込口は吹出し口との位置関係を考慮し、ショートサーキットを防止し、気流が室全体に行きわたりたるようにします。
③夏期は日射の影響で、開口部付近の冷房負荷が高くなります。また、冬期には、ガラス面近くの空気が冷やされて下降気流が生じるコールドドラフトが発生します。対策として、開口部近くのペリメーターゾーンを重点的に吹出します。


注意点
吹抜け部分は天井が高く、大きな開口部に面していることから、
- 高さ方向の温度分布に差が生じる
- 居住域まで暖気が行き渡らない
- 夏期は開口部付近の冷房負荷上昇
- 冬期は開口部付近でコールドドラフト発生
などが懸念される。※原因、結果
対応策
①吹抜けに面する2階梁下に到達距離の長いノズル型吹出口を設置し、吹抜け中央部に空調気流が届ように考慮した。
②吸込口を1階天井面の吹出し口から適度に離れた位置に設け、、ショートサーキットの防止を図った。
③夏期の開口部付近の冷房負荷対策、および冬期のコールドドラフト対策として、ペリメーターゾーンに吹出し能力の高いスロット型吹出し口を配置した。
※理由、計画内容
本日の記述ドリルはここまでです。
明日は、4月27日から5月1日のドリルを復習する「小テスト1」です。
空調吹出し口については、こちらの記事をご覧ください。
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