【一級建築士製図試験】計画の要点等 電気設備

「計画の要点等」の設備分野において、最近は出題されていませんが、電気設備に関して問われることがあります。
今回は、電気設備についてまとめます。
受変電設備 キュービクル 非常用発電機 EPS
問題
受変電設備の設置場所と配慮したことを記述する。
非常用発電機の設置場所と機器の更新に配慮したことを記述する。
受変電設備の設置場所と設備シャフトの計画について配慮したことを記述する。
解説
一級建築士試験で出題される建物規模では、送電線から高電圧で受電する必要があり、受変電設備で降圧したのち、建物各所へ供給します。
受変電設備としてはキュービクルと呼ばれる、受変電のための機器を鋼製の筐体に収納したものを設置するのが一般的です。
過去の出題例
電気設備についての問題は、過去に3度出題されています。出題されたのは、受変電設備や非常用発電機に関する問題です。
受変電設備の設置場所、維持管理又は騒音防止についての工夫(H23)
受変電設備の設置位置についての工夫(H25)
非常用発電機の設置場所と、維持管理及び機器の更新についての配慮(H26)
また、電気設備としての出題ではありませんが、「設備スペースと設備シャフト」についての出題がありました。設備シャフトの一つにEPSがありますので、電気設備について答えてもよかったでしょう。
設備スペースと設備シャフトの配置計画についての配慮(H21)
受変電設備
電気室に設置
建物内に電気室を計画し、キュービクルを設置します。
メリット
- 機器が風雨にさらされないので傷みにくい
- 雨水が入らないので漏電のリスクが少ない
- 外壁面に電気室を設置し、外扉をつければ機器更新がしやすい
デメリット
- 電気室に建物内スペースをとられる
- 機器からの発熱や振動に配慮する必要がある
屋外に設置
キュービクルを敷地内や屋上に設置します。
メリット
- 電気室がいらないので室内が広くなる
- 機器からの発熱への配慮がいらない
デメリット
- 景観が悪くなる
- 管理者以外が触ることができ、接触事故が発生する可能性がある
非常用発電機
発電機室に設置
建物内に専用の発電機室を計画し、非常用発電機を設置します。
メリット
- 機器が風雨にさらされないので傷みにくい
- 雨水が入らないので漏電リスクが低い
- 外壁面に発電機室を設置し、外扉をつければ機器更新がしやすい
デメリット
- 建物内スペースをとられる
- 吸排気や騒音防止のための設備が必要
屋外に設置
屋外や屋上に非常用発電機を設置します。
メリット
- 発電機室が不要
- 吸排気設備が不要
デメリット
- 景観が悪くなる
- 騒音が出る
EPS
受変電設備を1階や屋上に設置した場合、その他の階に配線する際に通す縦シャフトです。
非常に硬く、太い高電圧用ケーブルを小さなスペース内で曲げることは難しいため、EPSは極力、上下階で同じ位置とします。
また、受変電設備に近接して設けることで、配線総延長が短くなるようにし、電圧降下が少ない合理的なルートで配線できるようにします。
解答例
管理部門内の電気室
管理部門内に設置することで、点検等の維持管理がしやすいように配慮した。また、道路側の外壁面に電気室を計画し、外扉を設けることで、機器の修繕や更新が行いやすいようにした。
屋上の設備スペース
屋上の道路側に機器を設置することで、更新の際にクレーンで吊り出しやすいように配慮した。
EPS
キュービクルに近接した位置にEPSを計画し、各階同じ配置とすることで、合理的な配線ルートとなるように配慮した。
電気設備については、設計条件から機器をどこに置くか決め、設置場所に応じて適切な記述ができるようにしましょう。
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